【Lenovo TAB6 A101LV】レビュー&スペック詳細
ソフトバンクから発売されているセルラー通信対応タブレットを入手したのでレビューしたいと思います。
(入手経緯はまあ界隈で話題になってたあれですよあれです。)
Lenovo TAB6 (A101LV)とは?
2021年10月14日に発表、2021年10月22日に発売されたソフトバンク唯一のタブレット端末で、
10.3インチディスプレイにSnapdragon 690 5Gを搭載した、モバイル通信可能(5Gにも対応)なミッドレンジ端末です。
個人的に発表時に気にはなっていたのですが、価格や既に製造元が同じであるLenovo Tab P11 Proを所持していたため購入を見送っていました。
国内にて発売される格安タブレットとしては十分に使えるスペックとなっていますが、スペック等について詳細があまり公表されていないため、実機の情報を含め記載・レビューしたいと思います。
スペック
本体 | |
製造メーカー | Lenovo PC HK Limited (レノボ・ジャパン株式会社) |
サイズ | 158×244×8.3mm |
重量 | 498g |
プラットフォーム | |
OS | Android 11 |
SoC | Qualcomm Snapdragon 690 5G オクタコア 2.0GHz+1.7GHz |
RAM(メモリ) | LPDDR4X* 4GB |
ROM(保存容量) | 64GB |
外部ストレージ | MicroSDXCカード (最大2TB) |
外部接続端子 | USB Type-C端子 (USB 3.1対応*) |
バッテリー | |
容量 | 7500mAh |
充電 | 有線・USB Power Delivery対応 (最大18W*?) |
通信 | |
SIM | nanoSIM×1枚 (シングルスロット) |
3G W-CDMA | Band 1,8 |
4G LTE | Band 1,3,8,28・Band 41,42 |
5G NR | Band n3,n28,n77 |
Wi-Fi | IEEE 802.11 a/b/g/n/ac (2.4GHz・5GHz対応) |
Bluetooth | Ver5.1 対応コーデック:AAC、AMR、APTX(aptX)、APTX HS(aptX HDの誤植?)、EVRC、LATM AAC、LDAC、QCELP、SBC |
テザリング | 16台 (無線・USB・Bluetooth対応) |
ディスプレイ | |
サイズ | 10.3インチ |
表示方式 | TFT液晶 (IPS液晶と推測*) |
リフレッシュレート | 60Hz* |
タッチサンプリングレート | —Hz |
解像度 | WUXGA 1920×1200ドット |
画面占有率 | 約84% |
HDR | Dolby Vision、HDR10、HDR10+、HLG対応* |
タッチパネル | 10点マルチタッチ対応* |
カメラ | |
フロント | 800万画素・電子手振れ補正対応 |
リア | 800万画素・フラッシュライト・電子手振れ補正対応 |
機能詳細 | |
ペン | Lenovo Precision Pen 2* (おそらくMPP2.0対応*) |
生体認証 | 指紋認証:非搭載 顔認証:対応 (フロントカメラ認識) |
センサー類 | 赤外線センサー:非対応 近接センサー:対応* 照度センサー:対応 ジャイロセンサー:非対応* 加速度センサー:対応* モーションセンサー:対応* 電子コンパス(磁気センサー):非対応* 歩数計センサー:対応* |
GPS | GPS・GLONASS・A-GPS・BeiDou*・Galileo*・QZSS(みちびき)*対応 |
イヤホンジャック | あり |
通知・充電ランプ | あり |
NFC・FeliCa | NFC:非対応* FeliCa:非対応 |
耐久等級など | 防塵・防水 IP5X・IPX3 |
ハイレゾ | 対応 |
フルセグ・ワンセグ | 非対応 |
映像出力 | DisplayPort Alt Mode対応 |
搭載モード | キッズスペース、学習モード、PCモード |
その他 | |
Widevine | Security Level L1* |
Antutuベンチマーク
AnTuTu Benchmark v.9.4.4にて測定
総合:313604
CPU:113660
GPU:60513
MEM:60513
UX:82195
RAMが4GB搭載のためGPUの測定がLite版となっているほか、容量が少ないためかMEMの数値が低くなっています。
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対応周波数・センサー類
公表されている対応周波数は以下の通りとなっており、
4G LTE | Band 1,3,8,28・Band 41,42 |
5G NR | Band n3,n28,n77 |
端末自体はSIMフリーとなっているももの、上記のようにソフトバンク回線に最適化がなされているため、他社のプラチナバンド帯に非対応となっておりエリアが大幅に狭くなるため他社での利用は厳しいです。(全く使えないということはないと思います。)
GPSや搭載センサー類がほぼ公表されていませんが、各種衛星測位システム・日本のみちびきにも対応。従来に比べより正確な位置測定が可能です。
電子コンパスに必要なセンサーが搭載されていないため、地図やナビアプリ利用時などに自方向が表示されないことなどに注意が必要です。
Dolbyサウンド搭載・ステレオ(デュアル)スピーカー搭載
Dolbyサウンドが有効化されたステレオスピーカーを左右に搭載。画面を横にした際には偏りのない音を聴くことができます。
しかし、低音域が物足りないうえ、高音域がシャリシャリ気味のため過度の期待はしない方がいいです。
音楽や動画視聴に集中したい場合には、イヤホンを使用したほうが幸せになれるかもしれません。
スタイラスペンに対応
なんとこの機種、P11 ProやP11などと同じスタイラスペン「Lenovo Precision Pen 2」に対応しています。
Tab P11 Proと同時に(Lenovo Precision Pen 2同等品のNECデジタルペン(PC-AC-AD022C)を)購入していたため少し使ってみましたが、最大4096段階の筆圧検知やパームリジェクションが作動し、流石にiPad×ApplePencilの組み合わせには敵わないですが、基本的には大きな遅延などはなくストレスなく利用することができると思います。
価格が約1万円もするので新品を購入するのは微妙なのですが、P11シリーズなどと仕様が同じであればMPP2.0(Microsoft Pen Protocol 2.0)対応のスタイラスペンが利用できる(MPP2.0のみ対応ペン未所持のため未検証)はずです。
2024/07/31追記 筆圧1024段階検知のMPP1.0(1.5?)対応の古いASUS Pen 90NB0000-P00120を入手したので使ってみたところ、一切の反応がありませんでした。
(コメント等で情報をいただけたら幸いです。)
MPP2.0・AES2.0対応の比較的お手頃・有名なスタイラスペンをいくつか紹介しておきます。
Lenovo Precision Pen 2についての仕様等は下記サイトも参考にしてみてください。
学習モードアシスタント(ランチャー)機能
画面を横に表示した際に呼び出すことができる機能で、最大で6つのアプリ・機能を設定することができ、スクリーンショットなどの機能も割り当てることが可能です。
学習モード専用の機能と思われますが、今のところ通常モードでの利用でも使用可能です。
とても便利な機能なので、縦画面表示でも利用可能にしてほしいところです…
外部画面出力 DisplayPort Alt Modeに対応
外部画面出力機能の一つであるDisplayPort Alt Modeに対応。
USB Type-CからDisplayPort・HDMI・DVI-Dなどへの変換ケーブル/アダプタを利用することで、各種モニタ・TVへの出力が可能です。
また、USB Type-Cの入力端子を搭載したモニタであればUSB Type-Cケーブルを利用することで出力が可能です。
(変換ケーブル・USB-C入力搭載モニタ未所持のため未検証)
DisplayPort Alt Modeに対応する変換ケーブル/アダプタをいくつか紹介しておきます。
USB Type-CによるDisplayPort Alt Modeに対応ということは、必然的にUSB 3.1に対応。
ミッドレンジクラスのタブレット端末ながら各種データの高速伝送が可能です。
※検証環境の都合上USB 3.0表記となっています。
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オートスリープに対応
オートスリープに対応しています。
ケースなどに内蔵されるマグネットに反応し、スリープ状態に遷移します。
対応するケースを使うと便利な機能ですね。
外観
最近のLenovo製品では金属筐体を採用したツートンカラーのデザインが主流ですが、本機は「アビスブルー・ムーンホワイト」それぞれ一色に塗装されたガラスのような光沢仕上げ(アクリル樹脂)になっており、違った高級感があります。シルバーのLenovoロゴもカッコいいですね。
ただ、側面がシルバー色、ディスプレイ側がブラック色のためちぐはぐ感は否めないと感じるほか、指紋が付きやすい上にとても目立ちます。
右側面に音量・電源ボタンとSIMスロット、上・下部にスピーカー、上部にイヤホンジャック、下部にUSB Type-C端子を搭載。
この辺りは普通ですね。
ケースには、Thursday -サーズデイ-さんにて販売されているTPUケースを利用しています。電源・音量ボタン部が抜かれている仕様ですが、そのほかは割ときちんとカバーされています。※背面は磨りガラスのような仕様になっています。
ディスプレイ
最近主流の有機EL(OLED)ではありませんが、IPS液晶と思われるディスプレイを搭載しています。
写真などを見てみましたが十分にきれいだと感じました。
液晶であるためか最小の「明るさのレベル」にしても、結構な輝度があります。
明るさを暗くするアプリなどの利用したほうがよさそうです。当方では以下のアプリを導入しています。
Android12であればデフォルトで「さらに輝度を下げる」項目がありますので、是非OSアップデートをしてほしいですね。
(2024/01/14:後継のLenovob TAB7が発売されてしまったのでOSアップデートはないようですね…)
ディスプレイには、センサー部まできちんと対応しているPDA工房さんのPerfect Shield®フィルムを張り付けています。
動作感
Snapdragon 690 5Gを搭載。十分に使える性能を持っています。
しかし、メモリが比較的少ないためか、Chromeでブラウジングしていると読み込みや遷移に若干の引っ掛かりを感じる場面が多少なりあります。
最近の重量級ゲームをするのには向きません。(ゲームが全くできないわけではありません。)
Youtubeやニコニコ動画、Netflixなどの動画視聴がメインと考えたほうがよさそうです。
充電速度
高速充電可能なUSB Power Delivery(USB PD)に対応しています。
Baseus製の2種の65W充電器を利用し計測したところ、最大約15Wほどで充電が行われていました。
端末自体の対応最大値は18-20W前後といったところでしょうか。
7500mAhもの容量がある大きなバッテリーを搭載しているのでもう少し大きいワット数で充電できるとなお良かったですね。
その他 気になったこと
ソフトウエア更新
製品のサポートページには記載がありませんが、執筆時点では購入バージョンから4回ほどの更新があります。執筆時点での最新版は"A101LV_S000161_221101_Q6350_JP"です。2023/08/16時点での最新版は"A101LV_S000171_230418_Q6350_JP"です。2024/01/14時点での最新版は"A101LV_S000186_231024_Q6350_JP"です。
2024/05/08時点での最新版は"A101LV_S000186_240109_Q6350_JP"です。
Tab P11 Proも公式サイトに更新情報は掲載されないので、そういうものなのでしょう…
Bluetoothオーディオコーデックについて
Bluetoothコーデック欄にaptX対応との記載がありますが、手持ちのSBC/AAC/aptX対応Bluetooth無線イヤホンでは、aptXには接続されずAACでの接続となってしまいました。
2022年2月のソフトウェア更新でBluetooth関連の機能改善の文言がありましたが、接続できない症状は修正されていないようです。(そもそもaptXに対応しない(接続できない)仕様になったのでしょうか?)
2024/05/08:最新のソフトウェア"A101LV_S000186_240109_Q6350_JP"にてaptXへの接続が可能になりました。
SIMについて
本機購入と同時に発行されるSIMは「ソフトバンク発売のタブレット・パソコン端末でしか通信することができません」。
SIMフリー端末(公開市場発売端末)及びソフトバンク発売のAndroid端末にて検証しましたが、アンテナピクトは立つものの通信はできませんでした。(SMSは可能)
端末自体はnanoSIMかつSIMロックフリー端末のため通常のソフトバンクSIMや他社SIMは動作しますが、通信バンドがソフトバンクに最適化されているため他社SIMで運用するのは厳しいと思います。
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スクリーンショット
本機はスクリーンショット撮影時の保存ファイルがjpeg形式となっています。(Tab P11 Proもjpeg形式)
通常はpng形式の場合が多いため、気になる場合があるかもしれません。
プリインストールアプリ
ソフトバンク系アプリなどが少なからずプリインストールされている。
アンインストールや無効化は可能なため各自でお好みにしましょう。
個人的な意見ですが、「さとふるアプリ(実態はwebページへのリンク)」が無効化すら出来ないことにはガッカリしました…
Lenovo Tab P11 Pro (TB-J706F)・Lenovo TAB7(A301LV)との比較
主要スペック比較
機種名 | Lenovo TAB6 (A101LV) | Lenovo TAB7 (A301LV) | Lenovo Tab P11 Pro (TB-J706F) |
発売日時 | 2021年10月22日 | 2023年10月13日 | 2020年11月06日 |
サイズ | 約158×244×8.3mm | 約160×253×8.3mm | 264.28×171.4×5.8mm |
重量 | 約498g | 約490g | 485g |
OS | Android11 | Android13 | Android10 (Android11へアップデート可能) |
SoC | Qualcomm Snapdragon 690 5G | Qualcomm Snapdragon 695 5G | Qualcomm Snapdragon 730G |
RAM | LPDDR4X 4GB | LPDDR4X 4GB | LPDDR4X 6GB |
ROM | 64GB | 64GB | 128GB |
ディスプレイ | 約10.3インチ WUXGA 1920×1200 TFT(IPS) | 約10.6インチ 2K 2000×1200 TFT | 11.5インチ WQXGA 2560×1600 AMOLED |
カメラ | リア:800万画素 フロント:800万画素 | リア:800万画素 フロント:800万画素 | リア:500万画素+1300万画素 フロント:800万画素+800万画素 |
ネットワーク | 3G/4G/5G対応 802.11 a/b/g/n/ac | 3G/4G/5G対応 802.11 a/b/g/n/ac | 802.11a/b/g/n/ac |
生体認証 | 顔認証 | 顔認証 | 指紋認証 顔認証 |
参考価格 | 36,720円 | 47,520円 | 65,780円 |
比較して発売に約1年ブランクがあるとはいえ価格なりの差は感じますが、OSにAndroidを採用するタブレット端末におけるモバイル通信(特に5G)可能な機種は希少であること、スタイラスペンに対応することなどを考えると、十分に利活用できる端末だと感じました。10.3インチディスプレイを搭載する筐体も持ち運びにはあまり問題ないサイズ感ですね。
指紋認証にも対応していたら完璧かと思いますが、求めすぎでしょうか。
イオシスさんやじゃんぱらさんでも取り扱いがあるようなので、気になる方は購入してみてはいかがでしょうか?
Lenovo TAB7も大きな進化は見られませんでしたね(対応バンドが増えたくらい)…、価格の下がっているLenovo TAB6もおすすめですね。
参考文献・サイト
- PC Watch、ソフトバンク、10.3型で国内初5G対応のAndroidタブレット「Lenovo TAB6」
- PC Watch、5G対応で3万円台のAndroidタブレット見参!ソフトバンクの「Lenovo TAB6」を使ってみた
- ソフトバンク、“ソフトバンク”、5G対応のAndroid™ タブレット「Lenovo TAB6」を10月22日に発売
- ソフトバンク、Lenovo TAB6 サポート情報
- ソフトバンク、Lenovo TAB6 安全上の注意と保証およびクイックスタートガイド
- ぴけっとガジェット、XiaoXin Pad Pro 2020でイラスト制作、クリスタなどを試す
- Lenovo、Tab P11 Pro | プレミアムな11.5型タブレット
- ソフトバンク、Lenovo TAB7 サポート情報
更新履歴
2023/03/15 実機画像追加
2024/01/14 細部修正、スペック比較追加
2024/05/08 細部修正、Bluetoothオーディオコーデックの記載内容修正
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