【Lenovo TAB6 A101LV】レビュー&スペック詳細

2024年11月19日

ソフトバンクから発売されているセルラー通信対応タブレットを入手したのでレビューしたいと思います。
(入手経緯はまあ界隈で話題になってたあれですよあれです。)

Lenovo TAB6 (A101LV)とは?

5Gに対応するAndroidタブレット「Lenovo TAB6 (A101LV)」

2021年10月14日に発表、2021年10月22日に発売されたソフトバンク唯一のタブレット端末で、
10.3インチディスプレイにSnapdragon 690 5Gを搭載した、モバイル通信可能(5Gにも対応)なミッドレンジ端末です。
個人的に発表時に気にはなっていたのですが、価格や既に製造元が同じであるLenovo Tab P11 Proを所持していたため購入を見送っていました。

国内にて発売される格安タブレットとしては十分に使えるスペックとなっていますが、スペック等について詳細があまり公表されていないため、実機の情報を含め記載・レビューしたいと思います。

スペック

本体
製造メーカーLenovo PC HK Limited (レノボ・ジャパン株式会社)
サイズ158×244×8.3mm
重量498g
プラットフォーム
OSAndroid 11
SoCQualcomm Snapdragon 690 5G オクタコア 2.0GHz+1.7GHz
RAM(メモリ)LPDDR4X* 4GB
ROM(保存容量)64GB
外部ストレージMicroSDXCカード (最大2TB)
外部接続端子USB Type-C端子 (USB 3.1対応*)
バッテリー
容量7500mAh
充電有線・USB Power Delivery対応 (最大18W*?)
通信
SIMnanoSIM×1枚 (シングルスロット)
3G W-CDMABand 1,8
4G LTEBand 1,3,8,28・Band 41,42
5G NRBand n3,n28,n77
Wi-FiIEEE 802.11 a/b/g/n/ac (2.4GHz・5GHz対応)
BluetoothVer5.1
対応コーデック:AAC、AMR、APTX(aptX)、APTX HS(aptX HDの誤植?)、EVRC、LATM AAC、LDAC、QCELP、SBC
テザリング16台 (無線・USB・Bluetooth対応)
ディスプレイ
サイズ10.3インチ
表示方式TFT液晶 (IPS液晶と推測*)
リフレッシュレート60Hz*
タッチサンプリングレート—Hz
解像度WUXGA 1920×1200ドット
画面占有率約84%
HDRDolby Vision、HDR10、HDR10+、HLG対応*
タッチパネル10点マルチタッチ対応*
カメラ
フロント800万画素・電子手振れ補正対応
リア800万画素・フラッシュライト・電子手振れ補正対応
機能詳細
ペンLenovo Precision Pen 2* (おそらくMPP2.0対応*)
生体認証指紋認証:非搭載
顔認証:対応 (フロントカメラ認識)
センサー類赤外線センサー:非対応
近接センサー:対応*
照度センサー:対応
ジャイロセンサー:非対応*
加速度センサー:対応*
モーションセンサー:対応*
電子コンパス(磁気センサー):非対応*
歩数計センサー:対応*
GPSGPS・GLONASS・A-GPS・BeiDou*・Galileo*・QZSS(みちびき)*対応
イヤホンジャックあり
通知・充電ランプあり
NFC・FeliCaNFC:非対応*
FeliCa:非対応
耐久等級など防塵・防水 IP5X・IPX3
ハイレゾ対応
フルセグ・ワンセグ非対応
映像出力DisplayPort Alt Mode対応
搭載モードキッズスペース、学習モード、PCモード
その他
WidevineSecurity Level L1*
*実機にて確認

Antutuベンチマーク

AnTuTu Benchmark v.9.4.4にて測定

総合:313604
CPU:113660
GPU:60513
MEM:60513
UX:82195

RAMが4GB搭載のためGPUの測定がLite版となっているほか、容量が少ないためかMEMの数値が低くなっています。

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対応周波数・センサー類

公表されている対応周波数は以下の通りとなっており、

4G LTEBand 1,3,8,28・Band 41,42
5G NRBand n3,n28,n77

端末自体はSIMフリーとなっているももの、上記のようにソフトバンク回線に最適化がなされているため、他社のプラチナバンド帯に非対応となっておりエリアが大幅に狭くなるため他社での利用は厳しいです。(全く使えないということはないと思います。)

GPSや搭載センサー類がほぼ公表されていませんが、各種衛星測位システム・日本のみちびきにも対応。従来に比べより正確な位置測定が可能です。
電子コンパスに必要なセンサーが搭載されていないため、地図やナビアプリ利用時などに自方向が表示されないことなどに注意が必要です。

Dolbyサウンド搭載・ステレオ(デュアル)スピーカー搭載

Dolbyサウンドが有効化されたステレオスピーカーを左右に搭載。画面を横にした際には偏りのない音を聴くことができます。
しかし、低音域が物足りないうえ、高音域がシャリシャリ気味のため過度の期待はしない方がいいです。
音楽や動画視聴に集中したい場合には、イヤホンを使用したほうが幸せになれるかもしれません。

スタイラスペンに対応

なんとこの機種、P11 ProやP11などと同じスタイラスペン「Lenovo Precision Pen 2」に対応しています。

Tab P11 Proと同時に(Lenovo Precision Pen 2同等品のNECデジタルペン(PC-AC-AD022C)を)購入していたため少し使ってみましたが、最大4096段階の筆圧検知やパームリジェクションが作動し、流石にiPad×ApplePencilの組み合わせには敵わないですが、基本的には大きな遅延などはなくストレスなく利用することができると思います。

プリインストールアプリのBamboo Paperを用いてLenovo Precision Pen 2(同等品)を使用し描いてみたもの

価格が約1万円もするので新品を購入するのは微妙なのですが、P11シリーズなどと仕様が同じであればMPP2.0(Microsoft Pen Protocol 2.0)対応のスタイラスペンが利用できる(MPP2.0のみ対応ペン未所持のため未検証)はずです。

2024/07/31追記 筆圧1024段階検知のMPP1.0(1.5?)対応の古いASUS Pen 90NB0000-P00120を入手したので使ってみたところ、一切の反応がありませんでした。

(コメント等で情報をいただけたら幸いです。)

MPP2.0・AES2.0対応の比較的お手頃・有名なスタイラスペンをいくつか紹介しておきます。

Lenovo Precision Pen 2についての仕様等は下記サイトも参考にしてみてください。

学習モードアシスタント(ランチャー)機能

画面を横に表示した際に呼び出すことができる機能で、最大で6つのアプリ・機能を設定することができ、スクリーンショットなどの機能も割り当てることが可能です。

学習モード専用の機能と思われますが、今のところ通常モードでの利用でも使用可能です。
とても便利な機能なので、縦画面表示でも利用可能にしてほしいところです…

赤枠部をスライドすると選択した機能・アプリが出てくる
追加できるアプリ・機能一覧

外部画面出力 DisplayPort Alt Modeに対応

外部画面出力機能の一つであるDisplayPort Alt Modeに対応。
USB Type-CからDisplayPort・HDMI・DVI-Dなどへの変換ケーブル/アダプタを利用することで、各種モニタ・TVへの出力が可能です。
また、USB Type-Cの入力端子を搭載したモニタであればUSB Type-Cケーブルを利用することで出力が可能です。
(変換ケーブル・USB-C入力搭載モニタ未所持のため未検証)

DisplayPort Alt Modeに対応する変換ケーブル/アダプタをいくつか紹介しておきます。

USB Type-CによるDisplayPort Alt Modeに対応ということは、必然的にUSB 3.1に対応。
ミッドレンジクラスのタブレット端末ながら各種データの高速伝送が可能です。
※検証環境の都合上USB 3.0表記となっています。

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オートスリープに対応

オートスリープに対応しています。
ケースなどに内蔵されるマグネットに反応し、スリープ状態に遷移します。
対応するケースを使うと便利な機能ですね。

外観

最近のLenovo製品では金属筐体を採用したツートンカラーのデザインが主流ですが、本機は「アビスブルー・ムーンホワイト」それぞれ一色に塗装されたガラスのような光沢仕上げ(アクリル樹脂)になっており、違った高級感があります。シルバーのLenovoロゴもカッコいいですね。
ただ、側面がシルバー色、ディスプレイ側がブラック色のためちぐはぐ感は否めないと感じるほか、指紋が付きやすい上にとても目立ちます。

ムーンホワイトの背面は白一色で、Lenovoロゴとカメラが配置される

右側面に音量・電源ボタンとSIMスロット、上・下部にスピーカー、上部にイヤホンジャック、下部にUSB Type-C端子を搭載。
この辺りは普通ですね。

右側面に音量・電源ボタン、SIMスロット
左側面
上部にイヤホンジャック、スピーカー
下部にスピーカー、Type-Cポート

ケースには、Thursday -サーズデイ-さんにて販売されているTPUケースを利用しています。電源・音量ボタン部が抜かれている仕様ですが、そのほかは割ときちんとカバーされています。※背面は磨りガラスのような仕様になっています。

ディスプレイ

液晶パネル(TFT)ではあるものの比較的きれいに映し出してくれる
コントラストと色温度の選択が可能

最近主流の有機EL(OLED)ではありませんが、IPS液晶と思われるディスプレイを搭載しています。
写真などを見てみましたが十分にきれいだと感じました。

液晶であるためか最小の「明るさのレベル」にしても、結構な輝度があります。
明るさを暗くするアプリなどの利用したほうがよさそうです。当方では以下のアプリを導入しています。

Android12であればデフォルトで「さらに輝度を下げる」項目がありますので、是非OSアップデートをしてほしいですね。
(2024/01/14:後継のLenovob TAB7が発売されてしまったのでOSアップデートはないようですね…)

ディスプレイには、センサー部まできちんと対応しているPDA工房さんのPerfect Shield®フィルムを張り付けています。

動作感

Snapdragon 690 5Gを搭載。十分に使える性能を持っています。
しかし、メモリが比較的少ないためか、Chromeでブラウジングしていると読み込みや遷移に若干の引っ掛かりを感じる場面が多少なりあります。
最近の重量級ゲームをするのには向きません。(ゲームが全くできないわけではありません。)
Youtubeやニコニコ動画、Netflixなどの動画視聴がメインと考えたほうがよさそうです。

充電速度

高速充電可能なUSB Power Delivery(USB PD)に対応しています。
Baseus製の2種の65W充電器を利用し計測したところ、最大約15Wほどで充電が行われていました。

端末自体の対応最大値は18-20W前後といったところでしょうか。
7500mAhもの容量がある大きなバッテリーを搭載しているのでもう少し大きいワット数で充電できるとなお良かったですね。

その他 気になったこと

ソフトウエア更新

製品のサポートページには記載がありませんが、執筆時点では購入バージョンから4回ほどの更新があります。
執筆時点での最新版は"A101LV_S000161_221101_Q6350_JP"です。
2023/08/16時点での最新版は"A101LV_S000171_230418_Q6350_JP"です。
2024/01/14時点での最新版は"A101LV_S000186_231024_Q6350_JP"です。
2024/05/08時点での最新版は"A101LV_S000186_240109_Q6350_JP"です。

Tab P11 Proも公式サイトに更新情報は掲載されないので、そういうものなのでしょう…

Bluetoothオーディオコーデックについて

Bluetoothコーデック欄にaptX対応との記載がありますが、手持ちのSBC/AAC/aptX対応Bluetooth無線イヤホンでは、aptXには接続されずAACでの接続となってしまいました。
2022年2月のソフトウェア更新でBluetooth関連の機能改善の文言がありましたが、接続できない症状は修正されていないようです。(そもそもaptXに対応しない(接続できない)仕様になったのでしょうか?)

開発者向けオプション内のBluetootオーディオコーデック項目内の記載内容。
aptX対応イヤホンにもかかわらずaptXオーディオがグレーアウトし選択できなくなってしまっている。

2024/05/08:最新のソフトウェア"A101LV_S000186_240109_Q6350_JP"にてaptXへの接続が可能になりました。

開発者向けオプション内のBluetootオーディオコーデック項目内の記載内容。
aptX対応イヤホンを接続するとaptXオーディオで接続がされるようになった。

SIMについて

本機購入と同時に発行されるSIMは「ソフトバンク発売のタブレット・パソコン端末でしか通信することができません」。
SIMフリー端末(公開市場発売端末)及びソフトバンク発売のAndroid端末にて検証しましたが、アンテナピクトは立つものの通信はできませんでした。(SMSは可能)
端末自体はnanoSIMかつSIMロックフリー端末のため通常のソフトバンクSIMや他社SIMは動作しますが、通信バンドがソフトバンクに最適化されているため他社SIMで運用するのは厳しいと思います。

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スクリーンショット

本機はスクリーンショット撮影時の保存ファイルがjpeg形式となっています。(Tab P11 Proもjpeg形式)
通常はpng形式の場合が多いため、気になる場合があるかもしれません。

プリインストールアプリ

ソフトバンク系アプリなどが少なからずプリインストールされている。
アンインストールや無効化は可能なため各自でお好みにしましょう。
個人的な意見ですが、「さとふるアプリ(実態はwebページへのリンク)」が無効化すら出来ないことにはガッカリしました…

Lenovo Tab P11 Pro (TB-J706F)・Lenovo TAB7(A301LV)との比較

主要スペック比較

機種名Lenovo TAB6 (A101LV)Lenovo TAB7 (A301LV)Lenovo Tab P11 Pro (TB-J706F)
発売日時2021年10月22日2023年10月13日2020年11月06日
サイズ約158×244×8.3mm約160×253×8.3mm264.28×171.4×5.8mm
重量約498g約490g485g
OSAndroid11Android13Android10
(Android11へアップデート可能)
SoCQualcomm Snapdragon 690 5GQualcomm Snapdragon 695 5GQualcomm Snapdragon 730G
RAMLPDDR4X 4GBLPDDR4X 4GBLPDDR4X 6GB
ROM64GB64GB128GB
ディスプレイ約10.3インチ
WUXGA 1920×1200
TFT(IPS)
約10.6インチ
2K 2000×1200
TFT
11.5インチ
WQXGA 2560×1600
AMOLED
カメラリア:800万画素
フロント:800万画素
リア:800万画素
フロント:800万画素
リア:500万画素+1300万画素
フロント:800万画素+800万画素
ネットワーク3G/4G/5G対応
802.11 a/b/g/n/ac
3G/4G/5G対応
802.11 a/b/g/n/ac
802.11a/b/g/n/ac
生体認証顔認証顔認証指紋認証
顔認証
参考価格36,720円47,520円65,780円
※執筆時点での最新バージョンでの比較

比較して発売に約1年ブランクがあるとはいえ価格なりの差は感じますが、OSにAndroidを採用するタブレット端末におけるモバイル通信(特に5G)可能な機種は希少であること、スタイラスペンに対応することなどを考えると、十分に利活用できる端末だと感じました。10.3インチディスプレイを搭載する筐体も持ち運びにはあまり問題ないサイズ感ですね。
指紋認証にも対応していたら完璧かと思いますが、求めすぎでしょうか。

イオシスさんやじゃんぱらさんでも取り扱いがあるようなので、気になる方は購入してみてはいかがでしょうか?

Lenovo TAB7も大きな進化は見られませんでしたね(対応バンドが増えたくらい)…、価格の下がっているLenovo TAB6もおすすめですね。

参考文献・サイト

更新履歴

2023/03/15 実機画像追加
2024/01/14 細部修正、スペック比較追加
2024/05/08 細部修正、Bluetoothオーディオコーデックの記載内容修正